カフカにおけるメシアニズム

 

【出典と要約】

 

【出典】:『言語・情報・テクスト』(東京大学大学院総合文化研究科・言語情報科学専攻・紀要)、VOL 12, 2005, pp. 75-98.

 

【要約】:『万里の長城』には、その当時、コーエンとブーバーの間で戦わされていたシオニズム/メシアニズム論争への批判的言及が見出されるが、カフカは彼自身のメシアニズム解釈を、八折判ノートG1917年)の2篇のメシアに関するアフォリズムで表明している。後期カバラー主義者のルーリアの「ティックーン」の観念を思わせるアフォリズムの中で彼は、「不壊なるもの」の解放に基づく「信仰の最も拘束なき個人主義」をメシアの時の表徴としている。しかしながら、「不壊なるもの」の解放は、自己破壊という苦悩を通してのみ可能なので、それは、アフォリズムの中で遠望するしかない、実現不可能なユートピアにとどまらざるをえない。

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