カフカの二つの動物物語(2)

――「ある学会への報告」――

 

 

出典】:『言語・情報・テクスト』(東京大学大学院総合文化研究科・言語情報科学専攻・紀要)、VOL 15, 2008, pp. 35-69.

 

【要約】:

 ロートペーターは同化ユダヤ人のカリカチュアである。ただしこの作品には、ユダヤ人問題に限定されない意識と自由をめぐる認識論的な議論が混入している。それが作品を複雑な性格なものにして、そのため多様な解釈を引き起こしてきた。さらに、八折判ノートDにある作品の手稿には、作品から削除された数々の興味深い記述が残されている。それらも、ユダヤ人問題を超えた、人間の自由という普遍的な問題を扱っている。この作品における「出口」と「楽園」への言及は、錬金術師小路期の短編文学作品から、「チューラウ・アフォリズム」へのカフカの思索の過渡期を示している。

 

※この紀要論文は東大レポジトリに掲載される予定です。

 

※※この論文は大幅に加筆訂正の上、拙著『カフカ ブーバー シオニズム』の第9章に収録されています。

 

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