『カフカとキルケゴール』

 

 

 本書は、批判版カフカ全集やブロート・カフカ往復書簡集などの新資料を活用しつつ、カフカのキルケゴールに関するコメントを、彼が読んだシュレンプフ訳キルケゴール全集、『士師の書』、その他の二次的文献にさかのぼって解読する試みである。

 キルケゴールに関するカフカの評言はきわめて難解であるが、それらをカフカの思惟全体の中に位置づけ、彼の人生問題と関連づけるならば、そこには、キルケゴールに対するカフカの驚くべき理解と解釈が浮かび上がってくる。

 それと同時に、カフカのキルケゴール解釈にはブロートが深くかかわっていたことも判明するのであるが、それは、両者の関係について誤った観念を広めたブロート自身が予想もしなかったあり方によってなのである。

 そして最後に、カフカがなぜ2度にわたってアフォリズム集を編集しようとしたのか、その謎も解明される。知的興奮を呼び覚ます画期的なカフカ論、キルケゴール論、ブロート論。

     出版社 オンブック
     定 価 3900円(+税)

     中澤のエッセイ オンブックの可能性


     書評 森井 裕一 助教授/ 東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 (東京大学教養学部報0号)
     書評 驚異のカフカ解読

 

【購入方法】
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〇目 次 (リンクのある小見出しはその内容を立ち読みすることができます)

第1章 これまでの議論
  ブロートの解釈
  ブロートの解釈を受けて
  その後の研究

第2章 『士師の書』をめぐって
  カフカのキルケゴール読書
  初に読んだ『士師の書』
  フェリスとの関係
  必然的な共同生活
  結婚に関する賛否両論のとりまとめ
  両者の類似性
  婚約破棄と再会

第3章 『おそれとおののき』とキルケゴール・アフォリズム
  発病
  8冊の八折判ノート
  自分の輪郭線のなぞり書き
  西ユダヤ人の典型
  オスカー・バウムへの手紙
  『あれか・これか』への嫌悪感
  カスナーへの言及
  『瞬間』の影響
  『おそれとおののき』との対決
  逆説の伝達不可能性
  解釈の多義性
  普遍的なものの中での安らぎ
  ヴェルチュの「体験と志向」
  「不壊なるもの」――非人格的な神
  ショーペンハウアーとトルストイ
  認識の木と生命の木
  個と普遍との間の「普遍的な」往来
  家具を積んだ車
  世界の中へのスプリングボード
  「建設的な破壊」もしくは「魔法の車」
  信仰に関するアフォリズム
  操縦不可能な飛行船
  自己破壊の必要性
  チューラウ・アフォリズムの締めくくり

第4章 ブロートの宗教哲学的遍歴
  ショーペンハウアー主義者
  ユダヤ人意識の目覚め
  自由の宗教としてのユダヤ教
  ヴェルフェルとの論争
  『女王エステル』と『大いなる敢行』
  危機の克服
  ユダヤ教の差別化

第5章 カフカとブロートの討議()
  『人生行路の諸段階』をめぐって
  カフカの「肯定性」
  結婚という主要問題
  キルケゴールの疎遠さ
  二つの眼鏡――『あれか・これか』と『瞬間』
  キルケゴールの肯定性
  ブロート夫妻への助言

第6章 カフカとブロートの討議()
  ブロートの宗教的立場の変化
  シュレンプフの翻訳について
  「一つの可能性」をめぐって
  著書出版という矛盾
  体面を汚す本
  キルケゴールの否定的な神
  ブロートの肯定的な神
  キルケゴールは明快か?
  世界への暴行
  タルムードからではない
  自虐の神
  父親コンプレックスと精神分析学
  「二重の運動」と「現世の奇跡」
  恩寵,宗教性AとB
  理解による誤解

第7章 「究極の事物」をめぐる対話
  ブロートの異教解釈
  『悲劇の誕生』の換骨奪胎
  決定的に神的なもの
  書物による対話
  「考察」の編集とヴェルチュ論文
  ユーリエ体験と「彼」
  ヴェルチュの『恩寵と自由』
  ミレナと「軍務」の再開
  1920年の書類束と八折判ノート
  ミレナとの関係の危機
  「考察」再編集の時期
  無用なハンマーあるいは未完の彫像

主要参考文献の略号
あとがき


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