『カフカ ブーバー シオニズム』

目次

　

 

緒言　i　／　目次　�C　／　凡例　�F

　

第�T部　民族と文学　1

第１章　カフカのユダヤ的出自　3

父方の先祖　3 ／カフカという姓　4 ／イディッシュ語　6 ／ハプス

ブルク帝国の言語事情と宗教事情　7 ／イディッシュ語からドイツ

語へ　9 ／母方の先祖　12 ／ドイツ文化への同化　13 ／モーゼス・

メンデルスゾーン一族　15 ／見捨てられた生育環境　17 ／幼きカフ

カの言語環境　18 ／改革派ユダヤ教　21 ／失われゆくユダヤ教　23

第２章　文学とシオニズムの間で　27

「読書・講演ホール」と「バル・コホバ」　27 ／オーストリアの反ユダ

ヤ主義　29 ／ヘルツルのシオニズム　31 ／ロシア・東欧の状況　32

／ヘルツルへの批判　33 ／ボヘミアの民族紛争　35 ／ベルクマンと

「バル・コホバ」　38 ／ブロートと「バル・コホバ」　39 ／ブロート

の三つの契機　41 ／作家を目指して　43 ／執筆スランプ　44 ／カ

フカの執筆方法　47 ／深層意識への下降　49 ／「永眠した雑誌」　

51 ／アイデンティティの危機　53 ／転換の始まり　55 ／ファンタ

家のサロン　57 ／シュタイナーとの面会　59 ／透視と文学的インス

ピレーション　60 ／「不幸であること」と「都会風の世界」　62 ／「通

りに面した窓」　65

第３章　イディッシュ劇団とフェリス・バウアー　69

ブロートのユダヤ小説　69 ／イディッシュ劇団　72 ／小文学論　75

／ユダヤ的ルーツの探求　78 ／イディッシュ語に関する講演　80 ／

ナータン・ビルンバウム　84 ／父への反逆　86 ／反抗の民族的・文

化的要因　88 ／孤立と共同　89 ／シオニズムとの取り組み　91 ／

「ブルームフェルト」　93 ／フェリスと『判決』　94 ／フェリスとの

葛藤　97

第４章　ユダヤ民族ホームとブーバーのシオニズム　99

第一次世界大戦の勃発　99 ／ゲオルク・ランガーと奇跡のラビ　

101 ／フェリスとの再会　104 ／ユダヤ民族ホーム　105 ／西ユダヤ

人の病理　108 ／ブーバーの西ユダヤ人批判　110 ／反ユダヤ主義の

ユダヤ人像　113 ／ブーバーの精神遍歴　115 ／ハシディズム研究　

118 ／ブーバーのユダヤ教批判　119 ／宗教と宗教性　122 ／民族ホ

ームに対するショーレムの批判　124 ／ブーバーと「バル・コホバ」

127 ／カフカのブーバー評　128 ／錬金術師小路での創作　130

　

第�U部　「万里の長城」をめぐって　133

第５章　「万里の長城」における民族、国家、宗教　135

カフカと中国　135 ／謎めいた献辞　136 ／社会に対する個人の責任

137 ／ユダヤ民族ホームとの接触　139 ／ヘルツルの政治的シオニズ

ムとブーバーの文化的シオニズム　140 ／『責任』というタイトル

142 ／作品の寓喩的性格　144 ／万里の長城とバベルの塔　146 ／カ

フカのブーバー批判　150

第６章 　ユダヤの非合理的な伝承――指導部の問題　157

「町の建設」という小作品　157 ／両作品の類似点　160 ／パレスチ

ナというトポス　161 ／ユダヤ民族ホームとシオニズムの三つの結

びつき　163 ／シオニズムにおける「歴史」と「現在」　165 ／「歴史」

と「伝承」　166 ／非宗教的運動としてのシオニズム　168 ／シオニ

ズムとメシアニズム　170 ／古い巨大な時代　173 ／伝承と指導部　

174 ／指令の学習　177 ／ユダヤ的伝承は神的か人間的か　178 ／分

割工事という不可解さ　179 ／「春の川」のたとえ　181 ／ユダヤ教

メシアニズム　182 ／近代におけるメシアニズムの変質　185 ／コー

エンのメシアニズム解釈　186 ／擬似メシアニズムとしてのシオニ

ズム　188 ／ブーバーのメシアニズム解釈　190 ／コーエンのシオニ

ズム批判　191 ／ブーバーの反論　194 ／コーエンの再反論　195 ／

伝承の起源のタブー化　197

第７章　 民族統合の空虚なる記号――皇帝と帝国　199

作品の不統一性　199 ／曖昧な制度　202 ／皇帝の権力　203 ／皇帝

の不可知性　205 ／語り手の叙述の曖昧さ　207 ／首都と辺境の間の

情報的距離　210 ／啓蒙的知識人としての語り手　211 ／「統治」・「支

配」の二つの意味　212 ／皇帝は神か？　216 ／統合的記号　218

カイザートゥームとユーデントゥーム　219 ／ユーデントゥームに

おける宗教性と民族性　223 ／ユダヤ教信仰ドイツ国民中央協会　

225 ／「ユダヤ人」という言語記号　227 ／過去の重圧　230 ／「皇

帝の詔書」　233 ／「一枚の古文書」　234 ／信仰力の弱さ　236 ／生

の「基盤」　239

　

第�V部　二つの動物物語のユダヤ問題　243

第８章　「ジャッカルとアラビア人」のユダヤ的イメージ　245

1 　『ユダヤ人』に掲載されるまで　246

雑誌『ユダヤ人』の刊行　246 ／『ユダヤ人』の目的　248 ／文学作

品の掲載をめぐって　251 ／ユダヤ的文学とは何か　252 ／ブーバー

の見解の変化　254 ／ベルクマンにおけるユダヤ性と人間性　255 ／

フランツ・ヴェルフェルに関する前書き　258 ／二つの寓意　261

2 　「ジャッカルとアラビア人」　264

ジャッカル　264 ／清浄さ　267 ／儀式殺人　269 ／ A・D・ゴルド

ンのユダヤ人批判　　271 ／労働と職業　275 ／世界を二つに引き裂

いている争い　277

第９章　 「ある学会への報告」における同化と自由　281

これまでの解釈　281 ／々な影響源　283 ／内面の湖　284 ／ユダヤ

的解釈の諸相　286 ／ロバートソンの解釈　289 ／作家としての猿

291 ／ブルースの解釈　296 ／自由はシオニズムか？　298 ／自由と

出口　299 ／自由と意識　302 ／断片の問題　305 ／手稿から削除さ

れた箇所　309 ／（a） 楽園の門　310 ／（b） 翼をもった老人　315

／（c） 独房からの脱出　318 ／『田舎医者』と「チューラウ・アフ

ォリズム」の結節点　320

エピローグ　325

シオニズムから離れて　325 ／ 1920 年の転機　327 ／若いユダヤ人

との出会い　330 ／ミューリッツとベルリン　333

　

「万里の長城」の全訳　337

注　359

主要参考文献　380

索引　390

　

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